「……何にも、考えてない」 「ホントに?」 「ホント、だよ」 私の声はたぶん弱々しく聞こえてるはず。 でも、言えない。 言いたくないし、恥ずかしいし/// 「じゃあ、言えるようになったら教えてね、お嬢様」 れんはそう言って、出口をくぐった。 何か、あっさりしてない? 何か、たくらんでるの? れんの顔を見る。 そこには、何故かさみしげな顔が張り付いていた。