本物じゃなかったけど、嬉しかった。


れんからもらった指輪、とても綺麗。


「れん、色々な思い出ありがとう。私、もう眠る時間なのかもしれない……」


「えっ……?」


れんの顔が引きつる。


「もう、体がフラフラするの」


「まって! まだ、一緒に!!」


「大丈夫、きっとまだ死ぬわけじゃないと、思うの……。だから……」


れんの目から涙がこぼれている。


「れん、泣かないで……。れんには、笑顔が、一番、だよ……」


「そんな事、言ったって! かなが、いなくなるなんて、耐えられない!」


「ごめんね……。でも、きっと、ま、た会える、から……。いつか、ほん、ものの、結婚、式をあげ、よ……」