「れん、怖くないの?」


「かなは、怖いの?」


れんが私の顔を覗きこんでくる。


「……怖いよ。だって、また、傷つけたらどうしようって……」


「じゃあ、歌わないの?」


「……ううん。歌う。歌うよ、私」


れんの顔に笑顔が浮かぶ。


れんの手が私の頭にのせられる。


「よく言った! じゃあ、俺等の歌を聞かせてあげよう。幸せの歌を!!」


「うん!!」


私達は、ヴァイオリンを持った。


弾きながら歌う。