ーーーー‥っ



何やってんだ俺は‥っ



あいつの顔をマトモに見ることができなかった。


合わせる顔がなかった。



俺は‥

俺がわかんねぇー‥




なんとなく

あいつの事を考えていたら眠れなくて。

水を飲みに行こうとドアを開けたら、あいつが居たんだ‥。



なんかわかんねぇけど、



「ありがとう」



って笑うあいつが可愛くて、顔が綻ぶのを感じた。

俺、優しくなった?


あいつは何かを言いたそうだったから、促した。

ーーー‥けど。



なぜか会話が切れる。
変な感じだ‥



やっと口を開いたあいつは言った。

悲しげな瞳をしていたと。


悲しげな瞳‥?


俺、そんな瞳してんのか?



はは。

お前の瞳にかかったら、何でも見透かされちまいそうだ。



俺‥はーー‥



その時、蒼の部屋のドアが開いた。


俺はなぜか

反射的にこいつを腕の中に隠し、頭を固定する。



いや。

俺も、俺の行動の意味がわかんね‥



出てきた蒼は、案の定すげぇ恐い顔で俺らを睨む。


いや。


“俺を”だ。



だから、俺も睨み返した。



何故だかもやもやしている胸の内が、それで晴れる気がしたんだ。



それに‥



左ばかりに顔を向けようとしているこいつに


なんだかすげぇ‥



イライラしたからーー‥