声が‥うまく出てこなくって。
「わ‥たし、は」
やっと空気に乗せることが出来たその声。
海斗の視線から逃れることが出来ないまま、フリーズしていく私。
好きーー‥?
私は蒼さんが‥好き?
‥わからない。
確かに助けに来てくれた時は嬉しかったし、側に居ると、安心‥する。
それは好き‥?
わからない‥
わからないよーー‥
「わっ、」
突然ふわりと視界が回り、背中がソファーについた。
見上げると、やっぱり逆光で表情の見えない海斗が近づいてきてーー‥
ふわっと柔らかいものが唇に当たった。
優しく
とても優しく口付ける海斗。
次第に深くなっていくーー‥
しん‥とした部屋に響き渡るのは、唇を合わせる音だけ。
瞬間だけ離れる唇に合わせて酸素を求める。
「はー‥っあ」
苦しくて
ワケが解んなくって
力も入らなくって。
でも‥
海斗が何を考えているのか、
何を恐がっているのか。
理解しようと
ううん‥
理解“したい”と思ったんだ。
「ふ‥ぁっ、かい‥とーー‥」
合間に、やっと呼べたその名前‥
すると
海斗はピタっとキスをやめ、唇を離した。
2人を繋ぐその糸が
それの深さを表していて、急に恥ずかしくなったの。
苦しさと
恥ずかしさで
真っ赤になっているであろう私の顔を、
海斗の綺麗な顔が見ている。
でも
その大きな瞳は、これでもかってくらいに見開いていた。
「ごめん」
そう私に声を落とした海斗は、ソファーの窓際の肘掛けまで下がり、
三角座りをして、その腕に顔を埋めた。
朝日でキラキラ光る海斗の髪は、とても切ない光をしているーー‥
私は、かける言葉が‥
かけてあげられる言葉が見つからなくってーー‥
そっと、部屋を出た。
海斗の“言葉”を
この胸に残しながら‥

