片翼の天使



もう既にお風呂場の脱衣所と洗面所のドアを閉められ、逃げ口がない私。

蒼さんがドアから離れ、少しずつ近寄ってくるーー‥


オレンジ色の電気が2つだけついているこの空間は、薄暗い。


後ずさりする私の背中には、もう壁が‥


私と蒼さんじゃ
30センチ身長が違うから、



い‥威圧感が‥




暗くて顔がよく見えない。

あなたは今、どんな顔をしていますか?


怒ってる?
悲しんでる?


その時、


ーー‥ふわっ


おっきなあったかい手が、私の頬をそっと撫でる。


蒼さんは身をかがめて、私の瞳の高さまで降りてきた。




目が合うーー‥




その吸い込まれそうな、蒼みがかった瞳が私を見てるーー‥




あぁ‥そっか。



言葉にしなくても解る。


言葉にしなくても伝わる。




いっぱい心配してくれたんだね?


いっぱい探してくれたんだね?



“私”が笑ってることを喜んでくれてるんだね?



ありがとうーー‥



私は

そっと‥


蒼さんに笑顔を向けた。



胸があったかい‥



とくん‥とくん‥


心臓が苦しそうに動いてる‥。




このキモチ‥

なんだろうーー‥