片翼の天使




ーーーー‥




泣き疲れたのか、ソファーで眠ってしまったみぃ。


3年前に初めて出会った時は、なんてココロを閉ざした悲しい瞳なんだろう。


そう思った。


綺麗な髪。
綺麗な顔立ち。


なのに、瞳だけは死んでいてーー‥



すごくすごく気になった私は、ずっとずっと応えてくれるまで。

少しずつ少しずつ話しかけていった。



みぃの家で宿題をやるまで仲良くなっても、瞳はあの時のまま‥



中学2年の秋。



珍しくみぃから話しかけてくれた言葉は、「高校どこいくの?」だった。



成績がトップクラスだった私の進路は決まっていて、

「ここだよ」

ってパンフを見せたら、

「私も‥一緒に行っていい?」



……1番最初の甘えだった。すごく嬉しかった。



みぃは天才だった。

この高校のレベルを知るなり、教科書を丸暗記してんじゃないかってくらい勉強してた。


受験前の最終全国模試では、1位まで穫った。



無事、合格も決まり

みぃの家でお祝いをしたんだ。



みぃには笑顔が当たり前のようになっていた。


その少し前‥かな?


みぃが初めて自分の過去を話してくれたのは。



自分が母親に瓜二つなコト

父親から受けた仕打ち

親戚中から不幸を運ぶ黒猫だと疎まれたコト‥



全部。

ぜーんぶ話してくれた。


あの時も‥

こんな風に大泣きしたんだ。



大泣きした後のみぃは、“生きた”瞳を取り戻していた。



きっと、今度も大丈夫。



魅?

見えてる?

感じてる?



あんたが男と暮らすって聞いた時は、すごく心配だったけどーー‥



こいつらなら大丈夫‥だね?



特にーー‥

みぃの手を離さないこの蒼銀髪の男は


みぃを愛おしそうに見つめて撫でるこの男なら‥



大丈夫ね?




あぁ‥なんか、

みぃのお母さんみたいになっちゃってるな。


大好きだよっ

大親友の、魅っ♪