カチャカチャとベルトの音がした。



もう何も考えないように

ココロも

アタマも

ヒトミも閉じたその時、



バーーーーンっ!!!




もの凄い音が耳を壊す。


そして鈍い音が近くでしたかと思うと、前と後ろの男が倒れていくのを感じた。


頭がついていかなくって、目を見開いたままアタマはぐるぐるぐるぐる回ってる。



するとーー‥


ふわっと、前から優しい温もりを感じたんだ。



「心配させんな‥っ」



耳元で囁くその声は、紛れもなく蒼さんのなわけで‥


私を抱きしめる腕は

すごく‥震えていた。


だんだん頭が覚醒してきたワタシ。



「なんーー‥で」



やっと絞り出せた声。



「探してたんだぞ?」



蒼さんの声も、震えてる。



「ワタシ‥を?」



理解ガデキナイ。



「他に誰がいんだよ」



そう言いながら、更に強くなる腕。蒼さんの胸に耳が当たる。


ナンダロ‥

少しだけ速い蒼さんの鼓動が、心地良い。



デモ



「ワタシ‥は、ワタシはーー‥」



離れなければいけない。

ぬくもりを求めてはイケナイノ。

ツバサなんて持ってはイケナイ。



そう言いたいのに、うまく言葉が出てコナクテ。



「ここに居ろっつったろ」



ーー‥エ……?



「お前は俺のモンだっ!!ぜってぇ離さねぇ」



そう言いながら、

蒼さんはワタシにキスの雨を落とすーー‥



そして

少しだけ深く長いキスを落とすと、その唇が離れていく。



無意識に離れた唇を目で追う‥

キラキラと少しだけ光るそれが、色っぽい。



体の真ん中が熱くなる気がした。



心臓はやっと働き始め、働きすぎでとてもうるさくて。



その時、スパーンと、蒼さんの頭で小気味良い音がした。



「「俺らのこと忘れんな」」



蒼さんの横から顔を出すとそこには‥


海斗、颯斗、拓弥さん、コウくん、優花に柚子が。

揃って笑っていたんだ。