月曜日。



扉を開けると、五月晴れな蒼い高い空が私を迎えてくれる。


絶好のサボリ日和?


暖かい風が吹き抜ける今日、このお家から登校する、初めての朝。



ですが‥



なにゆえ‥

何故‥



“6人揃って”登校‥?



うぅーー‥


目立つよ~

みんな見てるよ~

恥ずかしいよ~



学校の門までは
わずか5分‥のはず。


どうやら“5王子”?と呼ばれる彼らが全員一緒に居るのが珍しいらしく。



遠目に見ながら倒れる子や、真っ赤になってるタオルハンカチを口元‥いや鼻?にあててる子もいる。



果敢にもボディタッチしてる子や、物を渡してる子もいる。




ふぁ‥5人も大変だね。




女の子達の黄色い声の中を、耳栓でもしてんじゃないかってくらい平然と歩く5人。


拓弥さんやコウくんだけは、笑顔で対応していた。


ーー‥さすがです。



5分のハズが、なぜか15分もかかって靴箱に到着ーー‥




ふはぁー‥

明日からは別登校にしてもらお。

そう密かに決意を固めている私に



「「じゃなっ」」



って頭をわしゃってして離れる海斗と颯斗。



「ふふっ」



笑いながらポンポンと頭を叩いて、職員室方面に向かう拓弥さん。



私の存在を確認するように、無言でふわっと私を抱きしめて離す、蒼さんー‥




私の鞄をひょいっと持ってくれて、ニコニコしながら隣を歩くコウくん。



えへへ。

私の家族。



家族‥なんかくすぐったいな。



新しい家族に幸せを感じ始めている私には、


それらをずっと見ていた視線に気づくはずもなくーー‥






「ーっ‥くそ女が」







もちろん、聞こえているはずもない。