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ふ‥ぁ?


眠っ‥てた?


あれ‥タオルケット?



なんか‥懐かしい夢を見た気がした。


大事な何かを伝える夢だった気がした。



全然覚えてないんだけれども。



目元に違和感を感じて、指で触る。



涙の‥あと?



14時か。

結構寝てたかも。
お腹空いたな~‥



1階の右端の扉がキッチン。そこから人の気配がして、私はそっと覗いた。



「颯斗?何してるの?」

「魅?起きたんだ。

ほらっ魅と僕の昼飯。食うだろ?もうできるから座ってろよ」

「ありがとっ、丁度お腹空いちゃって」

「はい。半熟ヘーキ?」

「わぁ、オムライスだぁ。ん、大好きだよっ」

「「いただきます」」



ふふっ



「おーいしー!!」

「そ?良かった。」

「あれ、海斗たちは?」

「コウは部活。あとは出掛けたよ。夕飯までには戻るってさ」



蒼さんも、お出かけか‥。



「魅、泣いた?」



ーー‥え?



「涙の跡、付いてる」



えーっと、なんて説明すれば良いんだ?

寝ながら泣いてた?
夢で泣いた?


んと、んーっと、



「ぷっあはははっ!!やっぱ面白れぇな、魅は」



ほぇ?



「颯斗っ笑いすぎっ!!初対面の時から爆笑してたし!!」



颯斗は笑い上戸すぎなんだよ。

海斗は小馬鹿にしたように笑うし‥


はぅぁっ!!
私、笑われすぎ?

優花と柚子は、この2人が笑ってるの見たことないって言ってたのになぁ‥



ぐるぐる考えて颯斗の方を見ると、颯斗は真顔で私を見ていた‥



「魅ってさぁ、」

「え?」



綺麗な顔が真剣に話し始めるから、ちょっとだけドキドキした。

ちょっとだけ‥ね?



「ほんとに僕らがわかるんだな」



ん?


少し照れくさそうに

少し嬉しそうに


少しだけ目尻を下げながら



昼が夕方に変わる太陽の所為で髪の毛が橙色に光る。

そんな颯斗は‥


どこか切なげで‥



まるで

橙色のウサギみたいだったの。