片翼の天使


突然 男の子の声で呼ばれたからびっくりした。


ゆっくり廊下に目を向けると、

ギャラリーをしょったまんまのコウくんと、紅澤生徒会長が立っていた。



「魅ちゃん聞こえてる?」



ーーーーーーーー‥





「おじゃましまぁす」って言いながら教室に入ってきた2人は、私達の座ってるトコまで来た。


さすがの優花と柚子もフリーズ中。


そんな光景が面白かった。



「ふっ。ふふふ」



あ、笑っちゃいけない‥よね?



「魅ちゃんって、笑っても可愛いね」



ん~‥?

なんとなくぽけんとしていると、



「魅、今日ヒマ?昨日の約束覚えてるかな?家に来ない?」

「えと‥」



私はケーキが食べたくて、まだフリーズしてる美女2人を見た。



「ん?あっごめんね。お友達と約束してた?」



今度で良いよと柔らかく笑う生徒会長に、柚子がやっと口を開いた。



「いゃいゃいゃ!ケーキはみぃちゃんのお誕生日に行こぉ!ねっ?」

「う、うん。みぃの誕生日、5月26日だもんね?そんときにしよっか」



なんだか目力のある2人に圧されるように、コクコクと縦に首を動かす。



「なら決まりっ!また放課後、迎えに来るから。じゃなっ魅」

「魅ちゃんがコウの友達だって知って、びっくりしたよ。俺も今日、楽しみにしてるね?」



そんなセリフを残して、黄色い歓声を纏いながら2人は教室から出て行った‥。




ーーーー‥?

なんで生徒会長も楽しみなんだ?



「みぃちゃんっ!金成くんとはドコで知り合ったのぉ!?」

「びっくりしたよ!!みぃにも男友達がいるのが!?」



興奮したように質問責めにする美女たち。


質問の論点が違うのが、この2人の楽しいトコ。


ん~‥確かに、話しかけてくる男の子には話すけど。

あんなに親しげに話す男友達は‥いないなぁ。



頭の整理が必要だと思い、また昨日から今日にかけての出来事を2人に話した。