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次の日


今日もまた蒼い空が広がる。

いー天気だなぁー‥


昨日の雨は嘘だったんだね。きっと。


私はいつも通り、
屋上にいるワケで‥


やっぱり、

4時間目はお昼寝で

お昼休みに教室に戻るのが日課だよね?





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~~~~~‥♪





……歌?


風向きがふわっと変わった時、

歌が‥聞こえたの。




力強く

繊細で

低音が蒼い空に響く



ーー‥綺麗な、声。





「…………」





聞き入っていた。

その人の声は

私にとって
とても落ち着く音で‥




お腹の中の方が

キュンと締め付けられるよう気がした。





なんでそんなに悲しそうに唄うの?



もっと‥


もっと聞きたくって


声のする方へ行ってみる。



すると‥

向かい側の3年生校舎の屋上に、人が1人立っていた。



こちら側からは横顔しか見えないけど、


一瞬にして魅入ってしまう、蒼く光る銀色の髪の毛。

筋の通った鼻。

すらっと背が高い。



‥遠くを見つめる瞳が綺麗でーー‥



彼の歌声は

私の心に、沁みるように入り込んでゆく‥




微かに聞こえる歌。


何語なのか分からないけど、時々聞こえてくる


『愛』

『天使』

『唄って』




‥え?


この歌は‥


お母さんの!!!



私はいつしか

緑色のフェンスにしがみついて彼を見ていた。


端から見れば気持ち悪い子だっただろうね。