桜が舞い吹雪く、
ピンク色の背景に
真っ黒で、ふわふわな髪をなびかせて
綺麗に風に乗せた大声で
『Aくらーすっ!!』
って叫んでた。
綺麗な声なのに。
もう、入学式は終わってるのに。
なんでまだクラス分けの掲示板にいるんだろ?
Aクラス?
私と一緒だ。
“変な子”
最初は、そう思ってた。
私と、みぃちゃんの軌跡。
私は、みぃちゃんが居たから“柚子”としての自我を持つことができたの。
五月女 柚子(サオトメ ユズ)
“五月女”の名前は
私にとって
とても、とても、
重い枷でしかなかったんだ--‥
黒い猫と無邪気な果実