片翼の天使

何人か引っ越してきた子供たちは、全員俺より年上だった。

新しい兄ちゃんと姉ちゃん。


俺は、いつものようにヘラリと笑って挨拶をする。



「キンパツだー」

「すごーい、初めて見たー」



初めて会うやつは、だいたいこう言う。


根元まで透き通るような天然の金髪。

みんなとは、違う色。


幼い俺は、その言葉だけで傷ついてたんだ。



「蒼くんも綺麗な髪してるんだよね」

「だね。コウくんは金で、蒼くんは銀」

「兄弟みたいだね」



銀? ソウくん?

後ろを振り向けば、テーブルに肘をつきながら外を静かに眺めている綺麗な兄ちゃんがいた。



あ、あの時の‥

あの人がソウ?



見上げる先には、キラキラと優しく輝く蒼銀の満月。


同じ色の髪の毛。



綺麗だなぁ‥。




「ん? なんだ?」



俺を見たその瞳。
切れ長で蒼いその瞳。



「月と同じ色‥」


「ん? あぁ、髪か。そうだな。同じ色だ」



弧を描くように優しく細めた蒼い瞳。

スッと伸びてきた手は、俺の頭をくしゃりと撫でる。



「じゃぁ、お前も同じ色だ」

「え?」

「太陽と、同じ色」







異国の色。

みんなとは違う色。

それだけで疎外感だった。



新しい出逢いは

すぐに

新しい別れになる。


大嫌いだった。





でも、

この新しい兄ちゃんとは仲良くなりたい。

そう、思った。




俺は、へへへと笑って、その新しい兄ちゃんの隣で晩ご飯を食べたんだ。