片翼の天使

秋の定期試験を控えたこの時期。

私たち中学2年生は、進路を考えなければならない。



「優花、高校どこ行くの?」

「ん? ここだよ」



私は頭が素晴らしく良いから、行く高校は前から決まっていた。

パンフレットを広げてみぃに見せる。



「この高校、奨学金制度あるかな?」

「あるよ。入試トップなら、授業料とかその他諸々が免除だって」

「ふーん‥」



パンフレットを隅々まで眺めるみぃ。

するとーー‥



「私も‥一緒に行っていい‥?」



それは、初めてみぃが見せた甘えだった。

私はそれが嬉しくて、笑顔で応える。


しかし‥

みぃの今の成績は、中の下。


とてもじゃないけど難しい。しかも、奨学金を受けたいとくりゃ、それはそれは大変だ。



でも、私はみぃを侮っていた。



「優花ぁーここ教えてー?」

「あぁ、ここはね」



私が教えるようになってから迎えた、初めての定期試験。

結果はーー‥



「1位ーっ!!?」

「えへへ」



えへへなんて可愛く笑ってる場合じゃないよアンタっ!!


1クラス40人前後、8クラスあるこの学年。


中の下だったはずが‥



「たった1ヶ月で1位って‥びっくりしたよ」

「優花の凡ミスがなければ、2位だったよ?」

「そーいう問題じゃないって。うわぁ‥みぃは天才だわ」



それからの試験、みぃは私を抜いてずっと1位。

しかも、全国模試でさえも制覇するという、恐ろしい事態。


この子、恐いわ‥。





そんなこんなで、無事に進学が決まり、みぃはトップ入学を果たして奨学金を受けられるようになった。



この先で、
私ももちろん、みぃの人生を大きく変える出逢いが待っている。





--運命の出逢い。






もう1人の一生の親友になる、無邪気な果実。

その旦那様になる、金の犬。

社長として世界中を飛び回る、橙の海兎と風兎。

私の旦那様になっちゃう、紅の鷹。


そして


みぃが生涯をかけて愛する人……蒼銀の狼。