片翼の天使



そして、帰り道。

家までは徒歩10分。


遠くはないけど、傘があるのとないのじゃ大違いだよね?



背の高いコウくんは、私に合わせて傘をさしてくれている。

優しいです。


でも、手を繋いでるのが少し気になりますが‥



「魅ってさ、新入生代表挨拶をすっぽかした子‥だよねぇ?」



うぅ‥またその話題。



「大変だったんだぜ?とんだとばっちりだったな。ぷっ‥くっくっく」



コウくんは、肩を揺らしながら笑ってた。



「うぁ‥なんか迷惑かけちゃった?ごめんねっ」

「ん?言ってなかったっけ?」

「何を?」

「魅が来ないーって生徒会で騒いでてさ、結局、次席にやらせろって事になったんだよ」

「あ、うん。知ってる。次席にはすっごい迷惑かけちゃって‥」

「あはっ魅、俺だよ俺」

「何が?」

「俺が次席なのっ。だから、俺が挨拶を読んだワケ」



綺麗な顔をくしゃっとして、人懐っこい犬みたいに笑うコウくん。





ーーーーーー‥





……ん?




えぇぇぇえぇぇぇぇっ!


なんてことっ!!

一見軽い感じの印象を与える、綺麗な金髪。

着崩された制服。


とても学年2位には‥




あいや。ヒトのこと言えないんだけどね?