片翼の天使

「ゆう‥か?」

「そ。そのまま優花って呼んで?」

「あ、うん‥」


ふぃっと顔を逸らしたみぃは、カーテンをめくって窓の外を見た。


「あ……」


固まってる彼女の後ろから、私も一緒に外を見る。


「猛吹雪‥だね」

「そー‥だね」


私たちは、その珍しい光景をしばらくジッと見ていた。


「やまないっぽいねぇ」

「うん」

「初めて見たよ。こんな雪」

「私も」


んー帰れるのかな? 迎えを呼んだって来れないだろうしなぁ。


「帰れるの?」


私のことを、心配‥してくれてるの?


「ありがと。なんとか帰るよ」


ニッコリと笑顔でそう言った私。

大丈夫。
なんとかなるよ。


「ねぇ‥」

「ん?」


みぃが、ちょっと困ったように眉を下げた。

それは、僅かな。本当に微かな変化‥だったと思う。


「‥泊まってく?」







みぃの口が、少し優しく形を変えたのが嬉しくて。

私はすぐに、


「じゃ、お言葉に甘えて」





都心にしては珍しく積もった雪。

しかも猛吹雪。


氷のように冷たく、恐ろしいほどに悲しい瞳をした彼女が。

だんだんと

温かみを帯びてきたようで……嬉しかった。



“友達”に

ーー‥なれるかな?