--8年後--



「こらまてー!!」

「きゃー♪」


ガチャ‥


「あ!いい所にっ!玄(クロト)を捕まえて」

「えぇ!!?」

「腹のデカいみいるじゃ、俺は捕まえらんねーなっ」

「年上は呼び捨てにすんなって言ったろ?」

「イタっ‥蒼さんっ!?ごめんなさい。だから頭‥離してください」

「わかれば良い。ほれ、返すよタク」

「おお。玄は魅ちゃん大好きだからなぁ‥くっくっ」

「笑い事じゃないんだよ?拓弥。玄ってば、みぃの昔の写真、持って歩いてんだから」

「ふっふふふ♪」

「みぃまで。ま、いっか。いらっしゃい。蒼さんも上がって?」

「「お邪魔します」」

「うわぁ。アルバム散乱中だね」

「あー‥ごめんね。そこの白いソファに2人で座ってて。

優花ー!これ、片付けて良いやつだよね?」

「うん、お願いできる?」

「おぉ」



「みいる‥」

「ん?」

「お腹、触って良い?」

「“さん”付けで呼べたらな」

「ふふ。蒼のお腹を触るんじゃないのに」

「いーんだよ。今から躾とかないと、生まれてくる“娘”が可哀想だ」

「玄くんとは幼なじみになるんだね」

「俺の幼なじみ?」

「ん。仲良くしてやってね♪」

「でっかいお腹‥、あったかい‥」



ビクっ



「こいつ、蹴ったぁ。俺のこと嫌いなのかなぁ……?」

「男はすぐ泣かない」

「うぅ‥蒼さんだって泣き虫なくせに」

「お前っそれ誰から聞いた!?」

「みーねぇちゃん」

「アイツ‥」




「「おっじゃまっしまぁす♪♪」」

「いらっしゃい。コウ、柚子ちゃん」

「おぅ!タク。あ?蒼が玄と遊んでるなんて‥雨が降るか?」

「うっせ」

「あれぇ?みぃちゃん、だいぶ大きくなったねぇ♪」

「それでウィーンまで大丈夫?魅‥」

「大丈夫っ♪2人の結婚式だもん」

「フォルテくん、元気かなぁ?」

「まさか柚子たちまであの教会で式を挙げるなんてねぇ?みぃ」

「だね。これで3組目♪」



「そーいえばタク、海斗と颯斗はよ?」

「2人とも今やアパレル業界トップの社長だからね」

「あ♪連絡があってねぇ、結婚式当日にウィーン入りするってぇ」

「わざわざ1日まるごと空けてくれたみたいだから、騒げるなっ♪」