片翼の天使




真っ直ぐに敷かれた真っ赤な絨毯。


高い位置のステンドグラスから射す、キラキラキラキラしたお日様が

パイプオルガンに反射して散らばっている。



光で丸く照らされた舞台の中央。



漆黒の衣装を纏った3人が、舞台上で私を待っていた。




でも


でも‥





足が、動かないの。






たくさんの、知らない人たちの瞳が一斉に私を見てる。



怖い

怖い‥


怖いーー‥



ウタエナイ。






あの上まで行けば、みんなが居る。

でも

この真っ赤な絨毯を渡りきるまで、私は独りきり。





なんで怖いのかわからない。

なんで動けないのかわからない。



独りが恐いの?

瞳が恐いの?



わからない。



唄い方を忘れてしまったみたいだーー‥





頭がぐるぐるぐるぐるして、ついに座り込んでしまった私。



シ‥ンとしていたはずの場内は、だんだんとざわめきが大きくなる。


選抜の時とは比べ物にならないくらいの

人、ひと、ヒトーー‥




私が舞台に立つなんて、ムリだったんだよぅーー‥



手足が‥冷たくなっていく。






ーーーーーー‥







「みぃ」

「みぃちゃん」

「魅」





心配そうに私を呼ぶ3人の声が、何度も何度も聞こえる。



ごめんね‥
ごめんねーー‥




涙が溢れていくのがわかった。







ごめんねーー‥






ーーーーーー‥








「ーー‥魅っ!!」






一際 強く強く

私の名前を呼ぶ、

その

低くて響く綺麗な声。







ーー‥え?