片翼の天使


順番は、

トップバッター2年生。

続いて3年生。

そして最後に1年生。




ドキドキドキドキドキドキドキドキ‥


心臓がもたないよ。




お客さんの入場が終わり、ざわざわが大きく響く大聖堂。

只今、14時55分





私は、舞台袖からの登場じゃなくて

舞台の真向かいの
メイン扉から、唄いながら入ってくる。


よって、3年生のは観ることができない。




しかも、スタンバイの袖は反対側‥。


会えなかったなーー‥。







ーーーーーーー‥







「ーー‥で、あるからして、我が校では音楽の素晴らしさを感じる為に、このような催し物を行うのであります。そしてーー‥」

「校長、そろそろお時間です」

「あ、あぁ。
そして今日、厳しい選考をくぐり抜けた各学年の代表が舞台に立ちます。皆様、ぜひ拍手をもって迎えてやってください」




「ではまず、2年生代表‥橙向海斗ならびに橙向颯斗!」






「行ってくるね♪」

「魅も頑張れなっ」



爽やかに笑う2人は、足取りに何の迷いもなく、舞台の中央へと歩いて行く‥。




夕陽が舞台の照明。

それと同じ色をした2人は、キラキラと光に導かれた。



2人が姿を現すと、

「キャーっ!」
「颯斗くぅん」
「海斗さまぁー♪」

いつもの黄色い声援が、拍手と共に溢れる。


それでも2人は動じることなく、座布団にあぐらをかいた。


2人が瞳を合わせてニィっと笑った瞬間に、ピタッとそれらが止まるーー‥






ーーーーーー‥





……ーーー~~~♪
……ーーー~~~♪




二胡の音色は唄うようーー‥


2人の感情を1つに乗せて、大聖堂中の観客を魅了する。







ーーーーーーーー‥








「魅!スタンバイ」

「また後でね、みぃ」

「行ってらっしゃい、みぃちゃん♪」




私はコクンと頷いて、舞台袖の出口から外へ出る。





メイン扉の前でスタンバイ。





怖い

怖い‥


怖いよぅーー‥






緊張と、不安で体が小刻みに震える。


知らない人がいっぱいの中で唄うなんて‥

私に、できる?






蒼‥


会いたいよ‥蒼‥