部活が雨で中止になって、俺は傘を取りに教室まで戻ってきた。


しん‥と静まり返るこの校舎で、

微かに‥歌が聞こえたんだ。


透き通った

まるで手のひらに乗せたら消えてしまう

雪のように

繊細で‥どこか悲しげな歌声。



体は無意識に声を求めて動いてて‥



それはまるで、絵画のような光景。


真っ黒なふわふわの髪の毛。

白い手足はか弱くて。

真っ黒な大きな瞳。




思わず魅入ってしまった‥



体から力が抜けて

カバンがドサッと落ちた。


びくっとして俺に目を向けた女の子。


なんか、触りたくなったんだ‥