片翼の天使



「ゆーちゃん、みぃちゃん、そ‥そろそろ着替えにいかない?」

「ほぇ。早くない?舞台は15時からでしょ?もっとぐるぐるしーー‥」
「行こぉっ!!」



言い終わる前に柚子に腕を引かれた私。



「ゆーかーぁぁ!」

「私、拓弥とハナシあるから控え室にいてー」



‥んーー‥?



“拓弥”?



拓弥さんを“拓弥”って呼んだ?



ーー‥優花?




「ね、ねぇ柚子?」

「なぁに?」



1年生選抜の控え室に入ると、ゆずりんごじゃなくなった柚子がやっと振り向いた。



「優花が拓弥さんを“拓弥”って呼んでた」

「あー‥ぁ♪」



なんか嬉しそうに、そして気まずそうに返事をする柚子。



「ゆーちゃんがまだ言ってないなら、柚子も言えない。でも‥」



柚子は、その可愛い顔をくしゃって崩しながら



「舞台が終わったら、言うんじゃないかな?」



ほょ‥。

優花も柚子も、舞台が終わるまで隠し事。


疎外感‥。



「きっとね、みぃちゃんも嬉しくなることだよぉ♪」



なら‥いっか。



「楽しみにしとくねっ!柚子の話も♪」

「あ‥うん」



ゆずりんご、かーわいーっ♪

私は、いつも2人が私にしてるみたいに柚子をぐりぐりしてみた。



ピンポンパンポーン



『10時になりました。只今より、一般の皆様の入場を開始いたします‥』



「始まるってぇ♪」

「優花が来たら、ぐるぐるしよーね!」



『ーー‥では、我が校の生徒諸君へ。







気合い入れてけーーーーーーっ!!!』




キィィィーーン‥




『以上。副会長より』




ピンポンパンポーン





「「……」」