片翼の天使


い、イケメンさんだ‥。


ドアをくぐって入ってきたコウくん。

その姿は、とても男らしかった。


漆黒のタキシードに、同じ色の蝶ネクタイ。

高そうなとんがった革靴。


根元まで透き通るような金色の髪の毛は、優花と同じようにオールバック。


3人で、無言になった。



「え゙‥なんで3人して固まるワケ~?」



色素の薄い瞳を少しだけしゅんとさせたコウくん。

犬みたいな耳がついてれば、垂れているだろう。



「コウくんって‥かっこよかったんだ」

「それどーゆー意味だよぅ魅~」



なんか、いつも可愛いイメージしかなかったかも。



「金成くんって、絶対に舞台映えするよね」

「うん」



即答した私。



「魅の衣装、それ?着替えといでよ♪」

「あ、うん」

「柚子もいっといで!!ーー‥柚子?」



優花に反応しない柚子。



「柚子ー?おーい」



ペシンっ

私が呼んだと同時に、優花が柚子にデコピンした。



「いったぁい!!」



おでこを押さえながら、やっとこさ動き出した。



「みぃと一緒に着替えといで♪」



そう言う優花は、ニヤニヤととっても楽しそうだった。




ーーーーーーー‥





「ゆーちゃんってば手加減なしだったよぉ~」



柚子のおでこは真っ赤。



「ふふふふふ♪」

「笑うとこじゃないんだよぉ?みぃちゃぁん‥」



確かに、優花のデコピンは痛い。



「柚子、さっきはどうしたの?」

「へ?」

「なんか、固まってた」

「あ‥えーと……」



何故か、おでこだけじゃなくて顔全体が赤くなってく柚子。



「あっ、明日が終わったら‥教えてあげるねっ」



そう言ってせっせと着替え始める柚子。



「あれ?柚子も真っ黒なの?」

「うん♪そだよぉ」

「私だけ、白?」

「うーん‥うん」



うぅ‥疎外感‥



「みぃちゃんは歌い手だからねぇ♪」



そう言いながらスルリと着替えた柚子。


漆黒の踊り子。

全体的にフワフワした生地。

スカートみたいなズボンは足首まで隠し、腕の布は膝下まで長い。


このフワフワ感が、柚子の小さな体をより大きく見せ、更に美しく舞を引き立てるんだろう。



私だけ、白‥か。