時は10月の頭。

季節は秋へと衣替えしました。


私の大好きな空は
高く高く‥蒼く澄み渡り、

木々は黄色や橙や赤の服を着て


この世界のキャンバスには

そんなに色があったんだと、感心してしまう程に美しい。




ーーーーーーーー‥





音楽祭を明日に控えた今日。

そして“覚悟”を決めて、帰国してから半月。


学校も始まった。

練習もしてる。

夏休み明けのテストは全て満点。



でもーー‥




まだ、蒼に会ってない。



携帯で連絡を取ろうと思ったら、蒼のデータだけにロックがかかってた。

ロックナンバーが分からず、お手上げな私。



ーー‥って!!

私の携帯なのに‥。



犯人はわかってるんだけどね?



「まだ向こうがダメだからダメっ」



そう言って会いに行かせてくれない優花。


それは、私を護る為‥だと思うんだ。



私が“覚悟”を決めたところで、蒼のココロが私を拒絶するならば、そんなもの

ーー‥意味はない。



怖い。


初めての“片想い”


蒼は、ずっとこんな気持ちで私を見てたのかな?


でも、

優花が“まだ”という言葉を使う。


その言葉の中に、光が見える気がするんだ。


明日は音楽祭。


ステージに上がるのは、全員知っている顔。

嫌でも袖で顔を合わせるんだもんね?



優花は、明日まで待てって言ってるんだと思う。





蒼は、私を見てくれるかな?

また『魅』って呼んでくれるのかな?



それともーー‥




不安と期待で胸が押しつぶされる。

お腹がきゅぅぅんってなる。





あなたに



触れたいよーー‥