片翼の天使



はぁ‥

みーちゃんねぇ。
名前までニアピンだとは。

これはもう、奇跡だよな?



「んで?みーちゃんは、なんでここにいるのかなぁ?」



ゆーっくり、丁寧に聞いてみる。

最高の笑顔を作って。



「ーー‥おにーちゃん怖いです‥」



“イラ”って、こういう時に使う擬音語なんだな?

あー‥もうやめた。



「お前、どっから入ってきたんだよ?」

「……」



‥つーんと顔を逸らしてまたむくれてる。

疲れるコイツ‥。



「“みーちゃん”はどっから入って来たんだよっ」



ちょっと強めに出た俺。



「んとねー、門が開いててね?玄関に行こうとしたら猫がいてね、ついてきたの」



今までのやりとりは何だったんだってくらいに、笑顔で答えるコイツ。


その笑顔は、太陽みたいにキラキラしている。


アイツは‥どっちかって言ったら『月』の輝きだもんな。

コイツとすげー似てるけど、やっぱり違うんだ。



「はぁ‥それで出口がわかんなくなったってか?」

「ちがいます~」



「ぶっぶー」って言いながら、顔の前ででかいバツを作ったコイツに、もう1度“イラ”を覚えたが‥

なんかアホらしくなった。



「んじゃ、みーちゃんは何しにここへ来たわけ?」

「みーちゃんはぁ、“みーお姉ちゃん”に会いに来たんです~♪」



楽しそうにきゃーきゃーしてるコイツ。


“みーお姉ちゃん”って……アイツ‥


ーー‥だよ‥な?