私は、小刻みに震えるこの小さな体をぎゅっと抱きしめた。
「ぅ‥っく、っく」
彼の頭をポンポンと叩きながら撫でる。
「あと2週間。学校が始まるギリギリまでこっちにいる」
「み‥いるっ‥ぅ」
「ずっと会えなくなる訳じゃないもん。それに、お手紙もメールもある」
「う‥っん」
涙を飲み込むフォルテくん。
「写真も送るね?」
「蒼ってやつの?」
「うん。仲直りできたら、送る」
「できなかったら?」
え‥と‥
「隠し撮りする!」
「ぷっ‥はははははははっはははははははははっ」
フォルテくんがいきなり笑い始めた。
びっくりした~。
「みぃ~、そりゃないわー」
と、一緒に笑い始める優花に‥
「みぃちゃんが隠し撮りっ‥くくっ絶対に失敗するぅ~」
って若干 失礼な発言をしながら笑ってる柚子。
「あっはっはっはっはっ」
って、意外に豪快に笑う神父様。
えー?神父様まで‥
「ひー‥はー‥ははっ。やっぱ、みいるは面白れぇや‥」
Tシャツの裾で涙を拭うフォルテくん。
「フォルテ‥」
笑いの収まっていた神父様は、フォルテくんの頭に手を置きながらにっこりしていた。
「フォルテは、みいるさんに出会ってまたひとつ、成長できましたね」
そう穏やかな笑顔で問う神父様に、
「はいっ!」
と元気よく答えたフォルテくん。
私も‥
誰かの役に立ちたいなって思ったことがあるけど、
今‥役に立てたのかな?私。
「みいるっ!」
今度は、さっきとは打って変わってキラキラした瞳をしているフォルテくん。
元気に私の名前を呼ぶ。
「大好き」
ちゅっ
ーーーーーーえ゙‥

