「俺の名前はね、“フォルテ”っていうんだ」
「うん。知ってるよ」
「神父様が付けてくれたんじゃなくて、教会の前に捨てられてた俺の上に
『この子の名は“フォルテ”』って書いてある紙が置いてあったんだって」
「うん」
「唯一の、両親からのもらいもの」
「‥うん」
「たくさんたくさん恨んだり、たくさんたくさん会いたいと思った」
「うん」
「でも俺は、今がすごく楽しい。みいるに会えて、良かった」
えへへ~っと笑顔になる2人。
「私も、フォルテくんに会えて良かった」
前を向けた気がする。
少しずつ、強くなってる気がする。
私、もう1度“あなた”に伝えたいことがあります。
こんなに大好きだってこと。
こんなに愛しているということ。
もう1度、手を伸ばして伝えたい。
今度こそ
護るからーー‥
「ーー蒼‥」
「やっと、名前を口に出せたんですね」
そこには、お水を持ったまま微笑んでいる神父様。
「名前は、鏡ですから。フォルテも、やっと受け入れられたようですね」
ふふふっと笑っている。
「ねぇ神父様。俺は、フォルテだ!」
元気に瞳をランランとさせて、報告するフォルテくん。
その姿は、やっぱり8歳の男の子だった。
「はい。君は“フォルテ”です。そしてあなたは“みいる”ですね?」
「はい」
「あなたの心が求めるのは誰ですか?」
「蒼」
ギィィーー‥パタン
「みぃ‥」
「みぃちゃん‥」
静かに扉が閉まったと思ったら、親友たちが瞳をまるくして私を見ていたんだ。
「優花」
「ん?」
「柚子」
「なに?」
「ありがとう。もう、大丈夫だよ」
「みぃーーっ」
「みぃちゃーん!」
泣きながら私を、いつもみたいにサンドイッチにする2人。
なんか、この2人の方が涙もろくなったかも。
ーーーーーーー‥
いつの間にか、蒼銀の満月だけになった群青色の空。
丸窓から差す光の筋に転がっていた、1匹の黒い猫の周りには‥
色とりどりの猫たちが、黒い猫を囲むように転がっていた。
猫はーー‥
夜行性じゃないのか‥?
「うん。知ってるよ」
「神父様が付けてくれたんじゃなくて、教会の前に捨てられてた俺の上に
『この子の名は“フォルテ”』って書いてある紙が置いてあったんだって」
「うん」
「唯一の、両親からのもらいもの」
「‥うん」
「たくさんたくさん恨んだり、たくさんたくさん会いたいと思った」
「うん」
「でも俺は、今がすごく楽しい。みいるに会えて、良かった」
えへへ~っと笑顔になる2人。
「私も、フォルテくんに会えて良かった」
前を向けた気がする。
少しずつ、強くなってる気がする。
私、もう1度“あなた”に伝えたいことがあります。
こんなに大好きだってこと。
こんなに愛しているということ。
もう1度、手を伸ばして伝えたい。
今度こそ
護るからーー‥
「ーー蒼‥」
「やっと、名前を口に出せたんですね」
そこには、お水を持ったまま微笑んでいる神父様。
「名前は、鏡ですから。フォルテも、やっと受け入れられたようですね」
ふふふっと笑っている。
「ねぇ神父様。俺は、フォルテだ!」
元気に瞳をランランとさせて、報告するフォルテくん。
その姿は、やっぱり8歳の男の子だった。
「はい。君は“フォルテ”です。そしてあなたは“みいる”ですね?」
「はい」
「あなたの心が求めるのは誰ですか?」
「蒼」
ギィィーー‥パタン
「みぃ‥」
「みぃちゃん‥」
静かに扉が閉まったと思ったら、親友たちが瞳をまるくして私を見ていたんだ。
「優花」
「ん?」
「柚子」
「なに?」
「ありがとう。もう、大丈夫だよ」
「みぃーーっ」
「みぃちゃーん!」
泣きながら私を、いつもみたいにサンドイッチにする2人。
なんか、この2人の方が涙もろくなったかも。
ーーーーーーー‥
いつの間にか、蒼銀の満月だけになった群青色の空。
丸窓から差す光の筋に転がっていた、1匹の黒い猫の周りには‥
色とりどりの猫たちが、黒い猫を囲むように転がっていた。
猫はーー‥
夜行性じゃないのか‥?

