片翼の天使


教室に戻ってみると、だぁれもいなーい。

外は雨が降り始めたらしい。



「うわぁお!あんなに晴れてたのに‥。傘持ってきてないよ‥」



濡れて帰るかっ

と決意した時、スカートのポッケが震えた。


メールじゃ~




“みぃへ。
彼氏と先に帰るねっ!!さっき発見したんだけど、駅前に新しいお店が出来てたから、今度ケーキ食べに行こっ”


って優花のメールと、




“みぃちゃぁん
雨が降ってきたから、運転手が迎えにきちゃったのぉ!先に帰るねっ。
送ってあげられなくってゴメンねぇ”



ってお嬢さま柚子からでした。



ふぅ。

雨が降ると思い出す。

お母さんの歌。


何語なのかわかんない。

もしかしたら、どの世界の言葉でもないのかも‥?



ただ‥


日本語で

『愛』

『天使』

『唄って』


って1回ずつ言ってるんだ。






~~~~~‥♪






ドサッ





「、っ!!」



何か重たい物が落ちる音がして、瞬時に振り返った。


そしたら‥



背の高い

綺麗な金髪の

綺麗な顔の男の子が

そのおっきな目をまん丸にして、口を半開きにして


立ってたんだ。