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「みーぃちゃん♪
おっはよーぅっ」
「う‥ぅん」
「もぅ!乗り遅れるよっ、みぃ」
あれから、1週間が経ちました。
私は、柚子のお家でお世話になってるの。
優花も一緒に。
優花に頬を叩かれてから、少しだけ前を見始めた私。
別れたことに後悔はない‥って言ったら嘘だけど、
前を見て歩こうって
強くなろうって決めたんだ。
音楽祭の練習の為に、コウくんとはよく会ってる。
でも‥
あとの4人の話をすることはない。
彼の気遣い‥なんだと思う。
「ふにぁ~‥おはよう柚子、優花」
「やぁっと起きたぁ」
「早く着替えて、みぃ。ダイニングに居るからね?」
スタスタとドアへ向かう優花。
「今日はなんと!!ゆーちゃんが朝ご飯作ったんだよぅ♪」
こっそり教えてくれた柚子。
「ふぁ!?食べられる‥?」
「こらそこ!聞こえてるぞー?」
ふっ‥あはははははははははははははっ
こんな風に笑い声が響くには、少しだけ‥時間がかかったんだ。
でも大丈夫。
私、ちゃんと笑えてる‥よね?
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「じゃぁ寅じぃ、行ってくるねぇ♪」
「はい、柚子さま。どうかお気をつけて。
優花さま、魅さま、柚子さまをよろしくお願い致します」
いつもみたいに、深々と頭を下げた寅じぃ。
「むぅ~‥それじゃ、柚子が子供みたいだよぅ」
あははははははっ♪
むくれてる柚子がかわいかった。
学校が始まるのは、9月の半ば。
それまでの約1ヶ月、私たちは旅にでます。
柚子のお家の別荘があるという、
音楽の都。
オーストリアのウィーンへ♪
やっぱり柚子は、
すごいと思いました。