笑って報告できる。

あいつらは、みぃを認めたよって。


みぃはもう苦しむ必要はないんだよって。


今度こそ、本当に幸せになりなさいって。



そう、言えるはずだった。




海斗先輩から電話を受けた颯斗先輩は、

だんだんと不安の色に染まってく。


私も、わけのわからない不安で胸が苦しくなったんだ。




途中で海斗先輩を乗せて、柚子の家へと急ぐ私たち。


海斗先輩は終始 無表情で無言だった。

そのことが、私の不安を更に煽ってく。







ーーーーーーーー‥







エントランスのドアを開けると、


大泣きしてる柚子と

大泣きしてる金成くん。


2人をそれぞれ胸に抱きすくめる銀崎先輩と、そして‥みぃ。




「みぃ、柚子、どうしたーー‥っ!!」



みぃが微笑む顔を私へと向けた時、

全てがわかった気がした。



「みぃ?」

「ん?」

「あんた声がっ!」

「ごめんね、優花」




微笑むみぃの瞳は、あの時のまま。





この子はまた‥


感情を封印したんだ。



しかも今度は、自らの手でーー‥






「「別れたぁー!?」」



ハモる双子の声。


やっぱりそうか‥。




「みぃ?」



みぃは、コクっと頷く。



「はぁ‥。あんた達が、それが最善の道だと思って決めたんなら、文句は言わない」

「ゆーちゃんっ!」

「仕方がないでしょ?柚子」

「ひっ‥く、ひぃぃっく……んっ」



下唇を噛んで頷く柚子。
柚子も別れて欲しくなかったんだろう。


もちろん私も。
みんなも同じ想いなんだよ?みぃーー‥



ーーーー‥でも、

私たちにはどうしようもできないんだもの。




「みぃ、1個だけ‥良い?」

「なに?」






パシンっ!!

バキッ!!





「逃げるなっ!!」

「逃げんなっ!!」





私は、みぃの頬を平手で殴った。




向こうでは、銀崎先輩が殴られて吹っ飛んでいた。

殴ったのはーー‥


ーーーー‥会長‥