ダァァァンっ!!!



「どーゆーことだよっ!!」




銀崎先輩が部屋にきてからしばらく経った。

私は金成くんと、階段を降りてすぐのリビングにいたんだ。


きっと手をつないで降りてくるであろう2人を、1番に祝福する為に。



タンタンタン‥



その足音に、満面の笑みで振り向いた私たち。

でも‥その笑顔は凍りつく。


2人とも綺麗な綺麗な笑顔だった。

だったけどーー‥



「どう‥したの?」



私はたまらず声をかける。

ニコッと微笑むみぃちゃん。


瞳がーー‥戻ってない。


金成くんも、銀崎先輩に声をかけたけど

瞳が、真っ暗で‥



金成くんは、銀崎先輩の肩を掴んで壁に叩きつけた。



「説明しろっ!!」



そう凄む金成くんに銀崎先輩は少しの沈黙を置く。



「別れたんだ」



低く響く、銀崎先輩の声。



「みぃちゃんっ!」



振り向くと、みぃちゃんは微笑みを崩すことなく‥



「本当だよ」

「みぃちゃん、声が!!!」

「ごめんね、ありがとう、柚子‥」

「みぃちゃんっ!!みぃちゃんっ!みぃちゃんっみぃちゃん‥みぃちゃんーー」



私は、みぃちゃんの肩をぐらぐらと揺らしながら泣いた。


そんな私をみぃちゃんは胸で受け止め、背中を撫でていた。

「ごめんね」って
何度も何度も言いながらーー‥




「蒼‥」

「ごめんな、コウ」

「もう、ダメなのか?」

「泣くなよ」

「もう、2人のあの綺麗な瞳が戻ることはないのか?」

「……コウ」

「大事に出来るって、言っただろ?」

「コウ‥」

「絶対って、言っただろっ」

「ごめんな‥」

「ふざけんなよっ!

俺やあいつらが、どんな気持ちでお前に魅を託したんだと思ってんだよっ!!」

「ごめん」

「蒼っ!!!」

「‥ごめん」

「う‥うっぅ‥蒼」

「洸一朗‥」

「お前はほんっとバカな兄貴だ。昔っから」

「ああ‥」

「うっ‥くひ‥く」

「洸一朗、ごめんな」




ーーーーーー‥




ガチャン




「みぃっ!!!」



顔を向けると

エントランスの扉の前に立ち尽くしてる

ゆーちゃんとみんなが居たんだ。