「みぃっ!」
「みぃちゃん!!」



「どうしたの!?何があったのっ?なかなか戻ってこないから心配したんだよ?

良かった。迎えに来て」



「ゆーちゃん!!あれっ」



「な‥っ!」



「みぃちゃん!あの人達とお話したの!?」









「ーーーー‥みぃ?

顔、上げて?」









「「ーーーーっ!!」」









「もう、みぃをこんな瞳にさせないって決めたのにっ

決めたのにーー‥」



「ゆーちゃん‥」






「柚子、みぃを連れて柚子の家に居て」



「え?ゆーちゃんっゆーちゃんっ!!」








「もしもし!

みぃちゃんが泣いててっーー‥

ーーコウシマくんと灰田先輩が一緒に‥

ゆーちゃんが走って追いかけてっちゃってーーー‥」








ーーーーーーーー‥








「柚子さま、魅さま、お乗りください」



「待って!俺も行く」



「コウ‥魅を、頼んだぞ?」



「ああ。颯斗はタクを追いかけろ。ひとりじゃ無理だ」



「魅‥」



「魅はきっと大丈夫。海斗は蒼を頼むっ」



「ああ!!」





「金成くん」



「お待たせ。

魅‥大丈夫だから」





「寅じぃ、出して」



「かしこまりました」







ーーーーーーーー‥








全部、聞こえていたはずの声。




でも




私には“届かない”








キラキラした
記憶のカケラ。



拾って、

集めて、

紡いで、



やっと


ひとつになった。







でもそれは




ピカピカした月にはならず







真っ暗な闇の月になる。







でも






ワタシには、それが似合ってる。








翼を持たない


“黒猫”のワタシにはーー‥