やっぱり最初は、ジェットコースターだった。
何度も何度も何度もぐるぐるして、
何度も何度も優花と拓弥さんには断られる。
楽しいのに。
発車スイッチを押すお兄さんが、ひらひらと手を振る度に
頭がズキズキした。
それから、
どの乗り物に乗ってもズキズキはついてくる。
それは、私が忘れてしまった“あの人”が、あの日ここに居た証。
もう少し。
もう少しなんだ。
「魅、あれでちょっと休むか!」
海斗が連れて行ってくれたのは、メリーゴーランド。
私はまた、おっきな白馬によじ登る。
「魅ー!また落ちんなよー」
「「「コウっ!!!」」」
「「金成くんっ!!」」
ーーーーー‥?
落ちる?
“また”?
ーーーーーーー‥
曲が終わり、白馬から降りようとした時
ーー‥ずるっ
あーー‥
スローで自分が落ちて行くのを感じた。
がしっ
腰を掴まれ、間一髪
落下を免れた私。
腰を掴んだ、そのおっきな手は
するっと背中に回され、力強く抱きしめられる。
「落ちねぇで良かったぁ‥」
助けてくれたのは‥
コウくん‥だった。
うぅっ!!
ズキン、ズキン‥
頭の痛みが大きくなっていく。
ズキン、ズキン‥
助けてくれたのは、“コウくん”‥?
「みぃちゃぁん!」
駆け寄って来たのは柚子。
「大丈夫?」
私は、ニコッと笑って無事を伝えた。
ズキン、ズキン‥
『ん♪蒼さんが助けてくれたからヘーキだよっ』
蒼‥さん?
「みぃ‥大丈夫?」
優花が、立ち尽くしてた私を心配そうに見つめる。
私はこっくりと笑顔で頷いた。
「‥そ。なら良いけどーー‥」
優花はまだ心配してる。
だから私は、満面の笑みで180°ターンをし、指をさした。
次は、観覧車!!
ずっとずっと
ズキズキしてる頭。
もう少しで、何かを思い出す事が出来る
‘予兆’‥なのかもしれない。

