片翼の天使

次の日。



「みーぃちゃん♪もうお昼だよぉ?」



って声と、のしかかり攻撃で起こされた私。



「こら柚子!あんたまで寝ないのっ」



優花が「もうっ」って言いながら、サラサラの長い髪を耳にかけた時‥


ズキンって頭が痛くなった。



「みぃ‥ちゃん?」



いつの間にかお布団の中にいる柚子に『おはよう』って言うと、柚子はえへへっと笑いながら「おはよぉ」って返してくれた。



「おはよ、みぃ。んで、今日いくぞっ」



ほぇ?



「遊園地ーぃ♪」



今日っ!?


夕方からの団体さんがキャンセルになったもんだから、‘使って良いよ’って言われたんだって。



「完璧な貸し切りじゃないからぁ、人がちらほら居るけどねぇ」



口をとんがらせてぶーって言ってる柚子が可愛い‥ふふ。



「みぃ、ご飯たべておいで?そしたらお洒落するぞっ」



おー優花サマの気合いが素晴らしい。



ガチャっとダイニングのドアを開けると、テーブルには颯斗と海斗。台所には、拓弥さんがいた。


私が『おはよう』って口を動かすと、



「「おはよう」」



ってニッコリ笑って返してくれた。


声が無いのは寂しいけど、なんだか慣れてきた。かも。



「おはよう、魅ちゃん。海斗!コウ、起こしてこい」

「へーい」



海斗は、すれ違いざまに私の頭をポンポンと叩いて



「ぼっさぼさ」



って言って去って行った。


はうぁ!

私の寝起きはいつもこうなの。

でも今日はーー‥



「くっくっくっ‥いつもよりヒドい」



はーやーとー!!

文句を言葉にできないから、ほっぺをむにーってして仕返し。



「ほらっ2人とも!早く食べちゃって」



あー颯斗のせいで拓弥さんに怒られた♪

そういう瞳を颯斗に向けてみる。

すると



「悪かったよ」



と笑いながら、トマトを私のお皿に入れた。

私もピーマンを颯斗に渡す。



「『いただきます』」



号令の声は1つだけど、私もちゃんと言ったもん♪

拓弥さんと颯斗は、その瞳を細めて「ふふふっ」っと口元を引き上げながら笑った。



ドタドタドタドタ‥



バン!

「魅っ!!」



コウくんが血相変えて飛び込んできた。



「今日の下着、黒なのっ!?」



は?