コウシマくんの声で目が覚めた私。

ふと顔をあげると‥

みぃが起き上がって微笑んでいた。


私は、嬉しくて嬉しくて泣いてしまいそうだった。



でも‥



すぐに異変に気づく。

口を動かして話しかけてる様子のみぃ。


でもなぜか

その口からは、あの美しい“声”が聞こえない‥。






ーーーーーーー‥





ドクターに診てもらったら、精神的なものだからいつか治る‥って。




精神的なもの‥




私たち3人は、みぃに謝った。

そして、全てを話した。


あれから3日も経っていること。

みぃが倒れて瞳を開けない日が続いたこと。



みぃは首を縦に動かしながら“静かに”聞いていた。


そして、銀崎先輩と灰田先輩のことも‥全部ぜーんぶ話した。



ごめんね、みぃ。

私たちが最初から話していれば‥

みぃが銀崎先輩に惹かれていく前に全部話していればっ


こんな辛い思い‥させなくて済んだかもしれないのに。



私の頬には、溢れ出た水が際限なく流れ落ちてゆく。


泣くなっ、私!!

泣きたいのは、みぃだろーがっ!!!



そんな私や柚子を、優しく微笑みながら撫でるみぃ。



そしてふと、涙を拭ってみぃを見ると‥

困った顔をしながら、何かを喋っている。



口の動きだけじゃ解らなくって、ジェスチャーが入っても解らなくって。



どうしようか、とコウシマと一緒に唸っていると‥



「あっ!」



って叫んだ柚子。

走って扉を出て行き、帰ってきてその手に持ってたのはーー‥



「これでお話しができるよっ!みぃちゃんっ」



おっきな自由帳と、カラフルなペンの入った箱。



たくさんの色がある箱の中から蒼い、空みたいな色のペンを手に取り、

真っ白な自由帳に何かを書き始めたみぃ。



私たち3人は、

みぃが書いたその

“言葉”に、顔を見合わせた。





『銀崎先輩って誰?』