みぃが帰って来ない。
お手洗いに行っただけのみぃが、1時間近く帰って来ない!



銀崎先輩がついてるからアレかもしれないけど、

雨も降ってきたし‥



「みぃちゃん電話に出ないよぉ?」



何度も携帯を鳴らしたけど、出ない。



「ーー‥出た!

蒼っ!!お前らどこにいんだよっ!!」



颯斗先輩の携帯に、銀崎先輩が出た。


それだけでほっとした私は、すぐに後悔することになる。



「ーーー‥え?」

「颯斗、魅ちゃん達どこにいるって?」

「ーーー‥あ、いやそれが‥」

「貸せっ!」

「海斗ダメだ‥っ」

「蒼てめーー‥


‥っーー‥んだよ?

あ゛あ゛?
どーゆー事だ!?


蒼!蒼っ!!ちっ‥くそっ!!切られたっ」

「海斗先輩‥みぃは?」

「はぁぁぁーー‥」



海斗先輩のつく長いため息と、頭をガシガシと掻きながら、明らかに怒っている雰囲気。


私は、一気に不安になった。

それは、みんなも同じだったと思う。



「離れたって。んで、魅は今コウシマと居るって」





ーーーーーーー‥





銀崎先輩の様子がおかしいとか、女の声がしたとか、

色々聞いた私達は、みぃを探しに行く。




「颯斗は右!海斗は左!君らは女2人一緒のが良いよね?俺も付いてく」

「タク、俺は!?」

「コウはでかいからこの屋根の下に居ろ!魅ちゃんを見逃すなよ?」




会長の指示で散らばった6人。



私は、柚子と会長と一緒に走る。


雨が一層強くなったけど、そんな事よりーー‥




みぃ


みぃっ


みぃっ!!




不安で不安でしかたがなかった。



何があったのみぃ?

何で銀崎先輩じゃなくてコウシマと一緒なの?


あんたはやっと幸せになったのにっ


何でまたそこに戻ったの!?





お願いっ


無事でいてっ!




また笑って“優花”って呼んでくれるよね?




みぃーー‥っ




ーーーーーー‥





闇に紛れてしまった

その月は


赤く赤く色を変えて



笑っているんだ。