ほゃ?


チリンって鳴ったかと思えば、ポニーテールの結び目にぐさっと何かが刺さった。



「みぃちゃん可愛いー♪」

「よく似合うね♪黒猫と白い翼に、ピンク色の鈴なんだよ?みぃみたいだねっ」



満面の笑みで誉めてくれてる柚子と優花だけど‥?



「蒼がプレゼントなんて初めて見た」



コウくんが瞳を丸くして驚いてる。



「蒼がっひとりで」

「かんざしを買いに行くなんてっ」



また爆笑し始めた、海斗と颯斗。



「コイツに鈴が付いてりゃ、迷子になんねーだろ」



後ろから前へ頭を撫でられてるから、下を向いちゃって蒼の顔が見えない。



「蒼は顔が真っ赤だよ。魅ちゃん」



くつくつと喉で笑いながら教えてくれた、エスパー拓弥さん。



「タクっ」



少し焦ったような蒼の低い声に、お腹がきゅぅぅんって苦しくなる。



「蒼?」



頭を抑えられて下を向いたままの私。



「あ?」

「ありがとう♪」

「ああ」



幸せってきっと、こういうことを言うんだろな。





ーーーーーー‥






それから、蒼が「んっ」て差し出した左手に捕まり、8人でぐるぐるお祭りを楽しんだ。


蒼がわたあめを食べるってのは、意外な発見であります!!



「花火はじまるー♪」



コウくんは瞳をキラキラさせている。



「もうそんな時間か」

「行くならあそこだろ?」

「だなっ♪」



海斗と颯斗が瞳を合わせてニヤリと笑うと、「ついてこい」って私たちを誘導した。



少し坂を登ると、小さな公園があった。



「うわぁ。穴場だねぇ♪」



前の6人掛けの椅子にみんなが、後ろの2人掛けの椅子に私と蒼が座る。


ーー‥花火が空を舞い始めた。






ーーーーーーーー‥






「綺麗だねぇ‥」



初めて見るおっきな花火。ただただうっとりと見上げるばかり。



「楽しかったか?」

「うんっ」



そう答えると、ふわっと優しい顔で笑った蒼。


花火の光が蒼を照らす。
いつも大人っぽくて綺麗だけど‥今日は一段と色っぽい気がする。


その瞳に見られるだけで、私の体が熱くなるのを感じた。



私‥重傷だな。



みんなが花火を見てる後ろで、私たちはそっ‥と


--‥唇を重ねたんだ。