「おさまった?蒼」



拓弥さんがくすくす笑ってる。


「ああ」って答える蒼の顔が、少し赤い気がする‥。



「みぃちゃん!行こうっ」



柚子に背中を押されながら、ちらっと蒼を見たの。

そしたら、拓弥さんと並んで少し後ろを歩いてた蒼は、ふっと優しい顔で私に笑いかけた。


はふぅ‥。
心臓がもたないよ。





うわぁーー‥


初めて来た夏祭り。


溢れるくらいの人。
たくさんの露店。

ステージで響く太鼓の音が気持ちいい‥


えへ。
わくわくしてます♪



「はぐれないでね、みぃ?」

「うんっ」



っていっても‥

この周りを囲む5人の王子様たちは、とても目立つわけで。



「「魅っ」」



ほえ?



「「あれで勝負だ!」」



来て早々に海斗と颯斗に勝負を挑まれた私。



「輪投げ‥」




うん、できないこともない♪

スタートラインに並んでみると、意外と遠いな。


「魅と双子じゃリーチが違うって」



って笑ってるコウくん。

‥確かに。



「みぃちゃん運動神経いいから大丈夫だよぉ」



これは運動神経の問題か?柚子サマ?



「ほっ」



うーん‥難しい。

両サイドでは、5つの内3つ入れて景品を受け取ってる双子。

そこまでシンクロするのかぁっ!!



「魅」



後ろからふわっと頭を撫でられた私。

う‥ドキドキする。



「上からかぶせるように投げんだよ」

「上から?」

「ああ」

「ほっ」



おおー!!

おっきなチョコを手に入れました♪



「ほっ」



おー♪

蒼の言葉で、残りの4発すべて入れた私。


「みぃって、たまにすごいよね」



優花ちゃん?それ、誉めてるのかな?

負けた双子は荷物持ちでーす♪



「魅つえーな」



また腹筋で笑う颯斗。



「蒼が助言しただけでモノに出来るって天才だわ」



海斗も笑ってる。



「みぃちゃん、これやろぉ♪」



それから

柚子とヨーヨー釣ったり、

熱いの苦手なのにたこ焼き食べたり。



「あれ?蒼は?」



ふと気づくと、蒼がいない。



「あぁ、買いたいもんがあるんだって」



拓弥さんが優しく頭を撫でながらそう教えてくれた時‥



チリンって鈴の音が耳元で聞こえたの。