片翼の天使

迎えた夏祭り当日。


女3人は、おやつの時間から柚子のお家で大騒ぎ。



「ゆーちゃーん!みぃちゃんのメイクお願いっ」

「はーい!みぃ、こっちおいでー」



柚子に浴衣を着せてもらって、優花の元へ向かう私。



「わ‥ぁ♪やっぱりその色、似合うねっ」



瞳をキラキラさせて言ってくれた優花。



「柚子采配は当たりすぎだわ」



優花はくすくすと笑う。



「目ぇ閉じてて?」



お化粧は、気持ちいいのです。



「みぃ?」

「ん?」



私は目をつむりながら答えた。



「楽しい?」

「楽しいっ!」



優花が耳元でふふっと笑う。



「私ねぇ、みぃが好きになった人が、銀崎先輩で良かったと思ってるよ」



ふっと目を開けて鏡の中の優花を見ると、優しい笑顔を浮かべていた。



「あの人なら、大丈夫ね?みぃをひとりにしたりしないよ」



ゆう‥か?



「もっともっと幸せになりなさい。そして、きっちり“今”を生きなさい、みぃ」



私は優花に抱きついた。



「みぃ?」



なんか、優花がどこか遠くへ離れて行っちゃいそうだったんだ‥。



「ありがとう‥優花」

「ーー‥ん‥」

「ねえ優花?」

「何?」



私はまた前に向き直され、お化粧が再開しだした。



「優花も辛いことあったら言ってね?」



私は優花にいっぱいいっぱい助けられた。

今度は、優花を助けるくらい強くなりたい。



「ありがとう‥」



そう言って笑う優花は、どこか切なげ‥だったと思う。





ーーーーーー‥





「できたぁ?」



ガチャリとドアを開けて入ってきたのは柚子。



「「可愛いっ」」



淡い黄色に赤い金魚が描いてある浴衣。

帯が藤色でキレイ‥

半襟にレースが入ってて、柚子らしく可愛らしい。



「うふ~♪みぃちゃんの頭は私がやるから、ゆーちゃんもお着替えどーぞ」



優花と柚子は、パチンと手のひらを鳴らして交代した。


あぅ。私だけ全部やってもらって、すいません‥。



「ねぇみぃちゃん」

「ほゃ?」

「銀崎先輩ってぇ、いつかのポニーテール‥気に入ってたよねぇ?」



あ‥そういえば‥



「よーし♪」



気合いを入れながら私の髪を梳く柚子。

蒼‥浴衣姿、気に入ってくれるかな?