片翼の天使

それから、女3人でデートに出かけたのです。



「これ似合う?」

「うんうん。ゆーちゃんはぁ、こっちも似合う」

「みぃはこれかな」

「私これー!?」

「柚子はこれだね」

「だね♪柚子はそれだよ」

「えー柚子こんなの持ってないー」



女の子の長い長いお買い物が終わり、喫茶店で休憩中。



「結構 買ったかな」

「だねぇ♪」

「みぃのそのワンピースと下着は、銀崎先輩との初デート用だからね?」



ニヤリと悪戯っぽく口角を上げる優花。



「ーーえ゛‥」

「そぉだよぅ?初‥には間に合わなかったけどぉ、ね?」

「だね。初‥には間に合わなかったみたいだけど?」



2人とも悪戯の笑みで私に目を向けるけど、私は恥ずかしくって恥ずかしくって下を向いたまま。



「何を今更恥ずかしがってんのよ」



優花‥楽しそう。



「やぁっと、その“印”消えてきたねぇ?」



柚子がニコニコして私の首筋を指す。


そうなんです。

あの日、終業式の日に蒼がつけた『俺のモン』って印。

1週間かかってやっと消えてきた訳で‥



「意外と独占欲が強いんだね?」

「え~あのタイプは強いと思うよぉ?」

「かもね。にしてもみぃ?」

「ほぇ?」



いきなり話を振られたから、ケーキのチョコを落とすとこだったよ。



「黄嶋には気をつけなよ?」

「柚子たちが居る時は大丈夫だけど‥」



柚子が珍しく語尾を伸ばさない。



「柚子の中では、あんまり良いウワサは聞かないんだ‥」



困った感じの顔になる柚子。



「私も。それに‥ほら、あれ‥でしょ?」



優花は、おじさんのことを言ってるんだ。



「‥ん」



『よーちゃん』の記憶が良しにしろ悪しにしろ、関わらないようにしよう。私の為に。


それに‥何よりも、私を心配してくれる“仲間”の為に。



「よぉぉし!みぃ?次はなんのケーキ食べる?」



優花はまた、その綺麗な顔を笑い顔にして私に言い放つ。



「みぃちゃん!あのフルーツタルトが呼んでる気がするぅ」



こうやって、わきゃわきゃしてる時もすごく楽しい。



でもうーん‥、蒼との初デートかぁ。蒼は目立つからなぁ‥。

蒼って、運動できるのかな?やってるとこ見たことないや。

帰ったら色々聞いてみよっと。