ーーーーーー‥
「ふふっ」
爽やかに笑ったその人。
あぁ。
今日はなんてキレーな男の子に会う日なんだろ‥。
「君、面白いね。リボンが赤って事は、1年生だね?名前は?」
ぶつかっちゃったし、名乗んなきゃ悪い‥よね?
「えとーー‥黒姫デス」
すると先輩は、目を丸くしてキョトンとした。
それでも、美しい顔で私を見ていた。
あぁ。
また名前か‥
「綺麗な声だね」
えっ?
今日はなんて誉められる日なんだろう。
「黒姫ってさ、黒姫魅?新入生代表挨拶すっぽかした子?」
おぉっ、またその話題かっ!!
「……はい。あっでも、わざとじゃぁなくってですね、早い話が寝坊ですっ」
綺麗に笑いかけるもんだから、なんとなく焦ったワケで。
柄にもなく早口になってしまった。
ーーーーーー‥
「くっくっくっく‥」
すると先輩は、私を抱き締め直しながら、肩を上下に揺らして笑った。
私は、何がおかしかったのかと考え中。
この先輩の腕のなかで、目の前の揺れる肩を見てるしかなかった。
だって、放してくれないし‥ね?