左の階段を登りきった、目の前の部屋‥


ドアの前に立つだけで、ドキドキドキドキと私の心臓が過労働になる。



「よしっ」



コンコン‥とノックをし、ドアを開ける。



「蒼‥?」



部屋に入ると、白いソファに座っていた蒼がこちらを向いた。


足元の間接照明しかついてないこの部屋は、外からの光を含んでも薄暗い。



「おいで」



その言葉は魔法。

私は簡単に引き寄せられてしまう。



「え‥と、蒼?」



下から私を見上げる蒼が色っぽくって、

心臓が過労働し、ドキドキが早くなる。



「あのね‥、」

「ん?」



蒼があまりにも綺麗に微笑むから、私の顔は更に真っ赤になっていただろう。



「ーー‥私、」



私は繋がれた両手をきゅっと握り返す。



「ーー蒼が、好き‥」



その瞬間、

ふわっと体が宙に浮いた。



「ふぁ‥蒼?」



そして、ぽすんっとふわふわなとこに置かれた私。


蒼の瞳が、私を射抜く。



ふっ‥と目の前が暗くなったかと思うと、唇に熱い柔らかいものが触れた。



「ん‥ふぁ‥」



少しだけ開いた唇の間から、ぬるっと繋がる。


それはとても熱くって、気持ち良い‥



「んぁ‥そ‥ぉ」



歯列を丁寧になぞり、何度も角度を変えて口内を激しく犯していく蒼‥。




ーーーーーー‥





どれくらい経ったんだろう‥

少しだけ強く押し当てると、次第に離れていく唇ーー‥。



それでもまだ、蒼と私は透明な糸で繋がっていて‥

それがキラキラと光るから

少し恥ずかしくって、私の顔は更に赤くなっていく。



「魅」



低く綺麗な声で、蒼は私の名を呼ぶ。


いつの間にか、ふかふかのベッドの上に寝転がっている私。


両肘を私の顔の横について、私を見下ろしている蒼。




心臓は破裂しちゃいそうだった。




「愛してる」




優しく私を見つめながら言うから、


身体の真ん中が

きゅぅぅんって締めつけられ、熱くなるのを感じたんだ。