ーーーーーーーー‥
外はもう‥闇が帳を降ろしていた。
月のない空。
星が弱々しく瞬いている。
闇に紛れる黒い猫は今宵、
月によく似た蒼銀の狼を求めて
歩き出すーー‥。
ーーーーーーーー‥
洗面所からお庭へ戻った私。
みんなが座っているウッドテーブルまで駆け寄った。
あれ?
蒼がいないーー‥
少しだけ、この広い庭をキョロキョロと見回していると、
「魅ちゃん?蒼なら部屋に戻ったよ」
ふふっと綺麗に微笑む拓弥さん。
わしゃっと頭を撫でる颯斗。
その瞳は優しく私を見つめている。
ひらひらと右手を振るコウくんも、ニコッと無邪気な笑みを浮かべていた。
そして
「行ってこい。魅」
海斗が私の肩をポンと押す。
みんな‥
ーーーありがとう。
「行ってきます!」
私は、4人に今までで1番良い笑顔を見せて
蒼の部屋へと向かった。