片翼の天使

「「ただいまぁ~」」



お家に帰ってきた私とコウくん。



「「魅っ!」」



って振り向きざまに私を呼んだ海斗と颯斗は、



「みーいるっ♪1年代表だって?」

「おめでとう♪僕らもなんだよっ」



って頭を左右から撫でた。



「俺も一緒なんだからね~?」



後ろから楽しそうに抱きつおっきな人は、少しスネ気味。



うふふ~♪
楽しい~♪



「2人とも着替えておいで!今日は庭でご飯たべるから」



拓弥さんが楽しそうに笑う。

ふわぁ‥

初めてそんな笑顔見たかも。

こっちが照れるくらいに、すごくすごく綺麗な笑顔だった。





ーーーーーー‥







タンタンタン‥



着替えて下に降りると、リビングのソファに人影があった。



あ‥



ーー‥蒼。




私は、吸い込まれるように蒼の座ってるソファの前まで歩く。



「おかえり」



ふっと上目で微笑む蒼に、私の心臓は悲鳴をあげ始めた。



「魅」



名前を呼ばれるだけでドキドキする。

顔が熱い。



「おいで」



差し出された手。

私はそっとその手をとる。



蒼の手は、あったかいーー‥




言わなきゃ。

言わなきゃーー‥




“私も好きだよ”って、伝えたいーー‥



「あのっ、蒼‥っ」

「ん?」



その綺麗な瞳を少しだけ細めて、優しく私を見つめる蒼。



ドキドキする胸を、繋いでいない方の手で抑えて、言葉を必死に探す。



「あの‥あのね、ーーーー‥私っ」



私の瞳と、蒼の瞳が繋がる。




まだ太陽は沈みきっていなくて、

オレンジ色に照らされる部屋の中。



蒼の顔も赤く見えるのは、夕日のせい?




「私、蒼のことが‥」




ガチャ‥



「蒼!早く手伝えっ



ーーーーあ‥」





リビングから庭に続くドアを開け、入ってきたのはーー‥



ーーーー‥海斗。