片翼の天使

コンテスト当日。



ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ‥



「みぃ、聞こえてる」



ふふっと笑う優花も、今日はちょっとだけ堅い気がする。



「大丈夫だよ、みぃちゃん」



って笑顔を見せながら抱きつく柚子の腕は、いつもよりぎゅぅぅっときつい。



「さて、行くかっ」



気合いを入れたコウくんの横顔は、ちょっと頼もしかった。


し‥んと静まり返る大聖堂。

いつもは誰もいないのに、今日は1年生が全員座ってる。


定位置につき、いつものように4人でアイコンタクトを交わし、


私達の総合芸術が

始まるーー‥





ーーーーーーーー‥





パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ‥



大聖堂が壊れてしまいそう‥


みんなが笑顔で手を叩いてる。



「1年代表は、お前たちだ。おめでとう」



紫藤先生が私の頭を撫でる。その顔には、少年のようにキラキラした笑顔。



「1年から王者がでるぞーっ」

「頑張れー!」

「黒姫さん可愛いー」

「金成くーんっ」

「さすが五月女さん」

「優花ちゃんこっち向いてー」




なんか、いっぱい声をかけられました。



「みぃっ」

「みぃちゃん!」

「魅!!」



わぁっと一斉に抱きついてきた3人。



うりうりぐりぐりとされながら、私も笑顔になる。




えへへ♪





「これで3学年、全ての出場者が決定した!お前たち、負けんなよ?」



紫藤先生までうりうりに加わる。





ーーーー‥





学年選抜コンテストが終わり、紫藤先生と音楽準備室に来た4人。



まだドキドキや興奮が収まらない私達。

顔は4人が4人とも揃ってにやにや。



「んでお前たちよ」



先生もまだテンションが高いっ!



「今年は1年生から王者が出るかもしれんって事で、期待してるぞ」

「うわっ先生それプレッシャーっすよ」



そう言うコウくんもまだ興奮してる。



あはは♪と笑う私達。



「先生、2・3年生の代表は誰ですか?」



ん。私も気になります!



「あぁ、2年は橙向兄弟、3年は銀崎と紅澤だぞっ」



ちょっと嬉しかったりする訳です。