~~~~~‥♪
綺麗な声‥
あ、これ‥知ってる。
リズムはワルツ。
速さはアンダンテ。
蒼が唄ってるのは、低いパートだ。
~~~~~‥♪
~~~~~~‥♪
‥‥~~~~‥♪
いつの間にか声に出して歌い始めていた私。
それに気付いた蒼が唄いながらこちらを向く。
その綺麗な瞳は、
優しく、優しく
笑っていた。
ーーーー‥
校舎は向かいで離れているけれど、
ここは‥
私と蒼だけの空間。
まるで、呼応し合う
つがいの鳥のように。
ずっと、ずっと‥
この時が続けば良いと願う。
~~~~~~‥♪
~~~~~~‥♪
どきどきする。
わくわくする。
一緒に居たい。
ーーー‥これが
“好き”‥?
蒼もこんな気持ちなのーー‥?
すごくどきどきして、
すごく楽しくって、
でも、少しだけ‥
ーー‥苦しい。
‥あのね、
私、蒼がーー‥
ーーーー‥好き。
なんだと、思う。
ーーーーーー‥
パチ‥パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチーーーー‥
ーー‥え?
歌が終わると、すごくたくさんの拍手が聞こえた。
校舎から体を乗り出して上を見上げている、たくさんの人。
おそらく1・2年生の校舎からも。
どうやら、授業のお邪魔をしていたみたいです。
「こらーっ!黒姫ーっ!銀崎ーっ!!教室へ戻れー!!」
紫藤先生の声がする‥。
歌声だけで誰だか分かる先生を尊敬しつつ、
放課後の居残りはきっと長くなるだろう‥と察してみた。
ふっとまた蒼を見ると、
ポッケに手を入れたまま、くっくっくっと肩を揺らして笑ってる。
その姿に、またきゅぅんとなるわけで‥
私は病気なんじゃないかと思った。
私は、蒼が“好き”
‥だと思う。
そう思い始めた、4時間目なのでした。

