片翼の天使

てくてくと

私に合わせて歩いてくれる蒼。


繋いでる手は、指と指とが全部絡まって、空気が入る隙間さえない。



そして、


手を繋いだままダイニングに入った私たち。


4人はもう揃っていて、彼らのその8つの瞳は全て‥

この、繋がれた手に向けられていた。



一瞬、凍ったような空気が流れる。



「ーー‥魅‥」



小さく私を呼んだのは、コウくん。


その瞳はとても切なくってーー‥

泣き出してしまうんじゃないかと思った。



「魅ちゃん座って?」



カタっと私の椅子を引いてくれたのは拓弥さん。


と同時に、

繋がれていた手が、するっと離れた。



なんだか、

すかすかして涼しくって‥


寂しい‥って思った。



双子は黙ったまま。


だけど‥

颯斗は私を見つめ、目が合うとふわりと笑った。

その瞳はとても‥優しかった。



海斗は恐いくらいに蒼を睨んでいた。


前に『蒼が好きか』と聞いた海斗。


ねぇ海斗?

海斗のその気持ちは“何”?


海斗が‥解らない。

少しだけ、海斗が遠い気がした。






ーーーーーー‥





『ごちそうさまでした』



どんなに少し異様な空気が流れていても、号令だけはみんな一緒で安心した。


やっぱり、みんなで居るときが1番好きなわけで‥。



「魅ちゃん、先にお風呂入って良いよ」



拓弥さんにすすめられ、まだ制服のまんまだった私は頷き、ダイニングを出た。