片翼の天使




ーーーーーーー‥





ーー‥魅?



飛んでーーー‥






ーーーーーーーー‥






ーー‥うん。





「私、唄うっ!!」



もう、大丈夫。

きっと、大丈夫。



私はーー‥

ーー‥唄える。



ねぇ、

もう一度‥


音楽を好きになれる‥よね?



右の肩に乗っていた腕が、ふわっと頭を撫で始めた。



「魅の声を主体にするとなると‥」

「ん~?私はハープやろうかな」

「あぉ♪いーねぇ。じゃぁ柚子はぁ、踊り子するーぅ」



優花はハープ奏者として、中学の時に大きな大会で賞を穫ってるの。

その音色は、まるで
“月の雫”みたいに透明だとまで言われていた。


柚子はずっと日舞をやってるってのは知ってる。

細い小さな体で、
大きく優雅に舞う柚子。
すごい綺麗なんだよ?



「じゃぁ俺は‥」



コウくんが何か考え始めた。



「金成くんはぁ、ピアノでしょうっ」

「そーね。ピアノが1番合ってるし、金成くんの得意種目でしょ?」

「だなっ。じゃ、俺はピアノに決定♪」



‥え‥



「コウくんて、ピアノできるの?」

「ん、教会のパイプオルガンで覚えた♪」



教‥会?



ーーー‥あ。




「あ!ねぇ、大聖堂のパイプオルガン使っちゃダメかなぁ?」

「あ、だよね?どうせ大聖堂でやるんでしょ?コンテスト」

「だな。パイプオルガンのが俺は弾きやすいし」



いやいやいやいや‥

パイプオルガンを弾けるって事がすごいと思います‥。



私‥こんなすごい人たちと組むの‥?


ほんっとに組むの?



“唄う”って決意はしたけれど、


私の歌で‥ほんとに大丈夫かなーー‥?