座ってる私の後ろに立ったコウくん。

腕を私の肩に乗せてくつろいでいる。


私は肘置きかっ!


って突っ込むとこだったわ。




ーーー‥んに?

4人で組むの?


私、音楽祭なんて
出なーー‥



「サボり禁止ね。みぃ?」



ーー‥紫オーラを纏った優花には勝てるはずもなく‥



「ーー‥はい」



頷いてしまう私は弱い子だ。ふふっ♪



「みぃちゃん声キレーだから、歌い手だよねぇ?」



‥え゛‥



「だね。魅、また唄って?」



ぎゅっとされて、コウくんの声が耳元で響く。



「“また”って‥、金成くんみぃちゃんが唄ってるの聞いたことあるんだぁ?」



「ん。2度ほど」

「みぃ‥?唄う?」



え‥と‥

全てを知ってる優花の瞳が、心配そうな光を放つ。


歌は、お母さんを思い出して悲しくなるから唄わない。


寂しくなるから唄わない。



ーー‥唄わない?


ううん。



“唄えない”の。



「みぃ?もう‥大丈夫だと思うよ?」



ーーー‥え?



「もう、みぃは唄えると思う」



優花の笑顔が、第2のお母さんになってる‥。



「もう、1人じゃないでしょ?もう、仲間がいるんだもん。

そろそろ、大丈夫なんじゃないかな?」




ーー‥仲間。




「ねっ?」



綺麗な顔で笑う優花。


何も聞かずに優しく微笑む柚子とコウくん。




“仲間”という、真っ白な片翼を手に入れた私。



ーーーー‥もう‥



飛べるーー‥?