ざわざわざわざわ‥

だだっ広い体育館に、赤い制服が集まる。


まだ夏にはなりきってないのに‥暑い。


涼しい風が顔をかすめる気がするけど、背が若干低めの私には関係ない。

きっと、柚子はもっと暑いだろうな。


ふと後ろを向くと、柚子が可愛くひらひら手を振った。


すると急に


ギャーー!!!!

女の子達の黄色い声が耳をつんざく。


壇上のマイクを取ったのは、紫藤先生。

私と優花と柚子の担任で、学年主任なんだ。


なんか、コンサートみたいになっちょる。



「大丈夫か?魅」



出席番号でならんでるから、隣のクラスのコウくんとはお隣さん。

同じ“か”行だし。



「ん‥。大丈夫‥」



ほんとは、頭が割れそうだったけど‥。



キィーーン‥



「お前たちを集めたのは、他でもない。音楽祭のためだ」



マイクの音まででかい~‥



「エスカレーターで進学したやつは知ってるかもしれんが‥今年も、学年対抗がある」



学年対抗‥?



「詳細については、各自担任からプリントをもらうように」



え‥なぜ今言わないんだ?めんどくさいのか?

あの先生ならあり得るっ!!



「選抜コンテストは定期試験が終わった翌日!!
テストもコンテストも手ぇ抜くなよ?」



ん?

テストとコンテストは同列‥か?


あれやこれやとぐるぐる考えてたら、いつの間にか放課後!!

雨が降ってきた今日は、ずっとちゃんと教室に居た私。



「えらいっ」



優花が誉めてくれたのですっ♪



「みぃちゃぁん音楽祭、一緒にやろぉ?」



んー‥?

音楽祭って、何をやるんだろ?



「音楽祭ってね?何人かでグループを作って、

歌や踊りや楽器を織り交ぜて演じて、

総合芸術として発表すんのよ」



エスパー優花が説明してくれた。


ソウゴウゲイジュツってーー‥



「お遊戯会みたいな?」



私が笑顔で答えを出してみる。



すると、爆笑されたのは言うまでもなくーー‥



「まぁ、そんなもんだ」



コウくんまでクツクツ笑いながら、我がクラスの入り口をくぐり、私たち3人の元まで来た。



「なぁ、4人で組まねえ?」



ほや?